東京神奈川での中学受験は2/1から始まります。しかし、再三お伝えしている通りこの試験日には大方の結果はすでに決まっています。本当の意味で競っている子というのはボーダー付近で争っている子たちになります。では最後に競える状態になるためにはどうすれば良いのか、それにはまず6年生に何がありどういう流れになっているのかを知ることが肝要です。
今回は受験学年である6年生の時期ごとの教材への理解とレベルごとの必要内容を土特について、8年間SAPIXの算数講師を勤め6年α1〜Aコースまでを担当した経験から説明致します。
結論
まず私の考える後期の土特(算数)についての結論をお伝えいたします。
後期の土特(算数)は微妙です。
受講するべきかどうか、何とも悩ましいと思います。
微妙な理由
微妙に感じる理由は2つあります。
教材
まず、教材です。大体どこの校舎でも後期の土特で扱う教材は下記のどれかになると思います。
・WS(ウィークリーサピックス)
・分野別復習テストB
・Sプリント
・基礎トレテスト
・超図形
・SEプリント
・Nプリント
・SS志望校用教材
これらの教材の問題点は志望校によっては難しすぎることと、1週間の中でこの土特までやる必要があるのだろうかということです。
例えば、慶應関係を志望されている場合は仮に上位生でも必要があるのかは疑問です。
もっと大きな理由
教材より大きな問題は『講師の質』になります。はっきり言ってこちらの問題が後期の土特に大きな影響を及ぼします。
前期での土特に対して、私の意見では必ず受講するべきとお伝えいたしました。
では、何故後期になると微妙になるのか、またその理由が講師の質になるのか、前期ではそういった内容は論じていなかったのに・・・こういった事に対しての全ての理由は『変わる』からです。
子供たちが夏期講習を終えSSが始まることが大きな変化であることと同じく、勤務をする講師にとっても大きな変化なのです。それは、単純に授業をする日数が1日増えるのです。じゃあ単純に勤務日を週に1日増やせば良いのか、というとそれほど単純ではなく労働基準法に引っかかる可能性が高くなります。そこから考えられることは前期中に入っていたどこかを外れ、代わりに日曜日にも勤務することです。ちなみにこれが該当するのは社員である常勤です、契約である非常勤は該当しません。
そして、一番割を食いやすい日が土曜日なのです。
SS以外の授業は平日の4・5・6年生の平常授業か土曜日の土特、これを比較すると後期の土特は優先順位が下がります。もちろん全ての講師が外れるわけではありません、ですが比較すると土特と他の平常の授業では土特の授業から外れるケースが多くあります。
私の経験上、社員の授業の優先順位は下記になります。
6年生平常授業は外れることはありません>>>>>>>4・5年生平常αブロック>>土特
もちろん、校舎の事情から土特ではなく平常授業から外れるケースが無いわけではありません。
影響
上記まででの影響を大きく受けるブロックと受けないブロックが生まれます。
まず、影響を受けないブロックは最上位ブロックになります。その訳は、担当移動は玉突きだからです。社員講師が後期の土特を外れたとします、その後どうなるのかと言うと前期にひとつ下を担当していた講師が玉突きでスライドします。大体は平常のαブロックのAコマを担当している講師であることが多いです。つまり、担当変更による影響はあまりありません。もしくはそもそも前期からαのAコマを担当する講師が最上位を担当している場合は後期も変わらず同じ人が担当することが多いです。
次に、こういった流れから問題となる影響の大きいブロックは『前期にいなかった講師が入るブロック』と言えます。
単純に考えてみれば。後期から土特に入ってくる講師=前期には土特を担当していなかった講師、と言えます(別校舎から移動してくるなどは聞いたことがありません)。
何故こういった講師が問題になるかというと、そもそも前期に担当していなかった講師は何故担当していなかったのでしょうか、これを想像してもらうだけで理由はご理解頂けると思っております。
まぁ、前期から担当しているからと言って全員が有能というわけでは無いことも言えてしまいますが。
まとめ
後期の土特の算数に参加するかどうかは微妙といえます。
理由は下記になります。
・教材の扱いが難しい→志望校によっては上位でもあまり必要としない可能性もある
・講師の質が悪くなる可能性が高い→影響が無いブロックと大きく出るブロックがある
上記の相乗効果で授業を組み立てられないレベルの講師が無駄に難しい教材を何も考えず行い75分間虚無が続くだけ、という地獄みたいな場合もあります。
対処法
・開成、桜蔭などを目指す最上位生
特に何も考えず参加されて良いと思います。土特コースのライバルの中で上位の成績を出せるよう精進することのみに注力されて問題ありません。
・それ以外
下記の2つを検討すべきです。
①子供の学力と志望校との状況から使っている教材などが必要かどうか
②担当講師などの状況から参加する意味があるかどうか
状況によっては、土特に参加されずその時間をお子様の志望校に向けて必要なことを行う方が良い場合もあります。
大事なことは平常とセットだからと惰性で土特に参加をされても事態は好転しないことの方が多いということです。周りと同じく参加したとしても、しっかり検討し参加した場合と惰性で参加した場合では結果に差は出てくるものです。
そしてもう一つ、家庭教師や個別指導などで土特に参加しない方が良いという話しを鵜呑みにしてしまうことも上記の惰性と同じことです。本当にお子様の受験を考え言っているのか、売上のために言っているのかを見極めなければいけません。私の話しも同じことが言えるかもしれません。
重要なことは保護者が調べ考えることです。
他人任せにせず、自分の子供の受験に意識を持ち検討することがひいては結果を好転に導く要因でもあることを忘れないで下さい。