3大算数勉強したフリ

算数のコラム

「うちの子は頑張っているのに、勉強しているのに成績に繋がらないんです」
こういったことを相談されることがあります。しかし、辛辣な言い方になりますがお子様は本当に勉強していますか?
今回は子供(大人もかも)に代表的な3大勉強したフリを説明いたします。

①机に向かっているだけ

以前とある保護者からこんなクレームをもらったことがあります。

「うちの子は毎日頑張って勉強しているのになんでこんな成績なんだ!!塾の教え方がおかしいんじゃないのか!!?」

という内容でした。しかし私を含めその子の担当をしていた講師全員困惑するしかなかったんです。何故なら、我々の印象ではその子は授業中もボーとして家庭学習も努力不足が明白な子供だったからです。

では何故保護者は上記のようなクレームを言ってくるようになったのか、色々話を伺ったり本人や周りの子にも確認を取った所判明した根拠はその子が毎日数時間マンションの学習スペースに行っているからだと分かりました。
要は保護者の中では『学習スペースに行っている=頑張って勉強している』という構図に成っているようでした。そしてお分かりの通り、その子はただ行っているだけでほとんどの時間ボーと過ごしているだけです。残念ながら、保護者は共働きで帰宅は遅いため子供の様子を把握しておらず、子供の言う「学習スペースに行った」「復習はやっている」という言葉を鵜呑みにしている結果のクレームなのでした。
これは極端な例なのかもしれませんので、共働きの家庭だと中学受験が上手くいかないという意味ではありません。しっかりとした結果を出された共働きの家庭はたくさんいらっしゃいます。

上記の例だけでなく、子供は全員が勉強を好きなわけではありません。かくいう私も学生時代の勉強は苦痛でした。それでもやらなければならないことという認識は子供にもあります。その結果、体裁は整えようと机には向かうのです。だからこそ保護者の中で、子供が机に向かっていることを勉強時間とする内は成績の向上には繋がりません。いちばん大事なことは中身・内容です。

②座り方が悪い

本当に昔に比べて座り方が悪い子は増えたと思います。電車などでも足を組んで突き出している邪魔な人が昔より多くいるのと関係あるのでしょうか。
閑話休題、座り方と学力に相関はないという人もいますが私は大いに関係はあると思っています。経験則になりますが、座り方が崩れている子の教室内の割合は下位層になればなるほど明白に増えていきます。

昔からありますが、最近増えているのは「頬杖」・「背もたれに寄りかかる」ですね。
まず頬杖ですが、驚きなのは頬杖と言われても何のことだか分からない子も多くいます。学校などで指摘されていないのでしょうか。これをしていると何故良くないのかは簡単で、頬杖をしている時はどういう時でしょうか。私は必ず呆けている時だと考えています。例えばテレビなどをボーと見ている時、疲れて座っている時などの瞬間にボーとしてテーブルに頬杖をするのではないでしょうか。逆に集中している時に頬杖はしないはずです。
背もたれに寄りかかることも本質的に頬杖と同じで、人は本当に集中してのめり込んでいる時はむしろ前のめりの重心になります。つまり集中できていないから後ろに重心があるのです。他にも足を投げ出していたり、壁にもたれかかっていたり、机に突っ伏していたりと選り取り見取りではありますが全て同じことでしょう。

ここで一つ補足をすると、たまに姿勢が悪くなるぐらいは当然のことですのでそういった事を言っているのではないということはご理解下さい。時間の大半をそういう姿勢で行っていることが該当します。

③復習の内容が答えor筆算のみ、もしくは他人には解読不能

復習をしたということで中身を確認すると、

・答えのみ
・筆算のみ
・暗号のようで解読不能
ということがあります。
算数の出来ない子のノートには本当に良くあることです。

厳しい言い方にはなりますが、だから出来ないんだよと言いたいです。小学校での学習も含めて本当の意味での「学ぶ」ということを理解していない証拠なのだと言えます。さらにこのような家庭学習になっていることに保護者が気付いていないケースは相当マズい状態でしょう。

特殊な例外

上記の三大算数勉強したフリに該当しながら成績低迷に当てはまらないケースがあります。
つまり、ダラダラと机に向かいながら(長時間ではないかも)姿勢も非常に悪くノートにも何が書いてあるのか分からない子ではあるのに何故か出来る子がいます、それはトップレベルに算数の能力が秀でている子です。周りから宇宙人と思われるぐらい能力が秀でていると、もはや一般的な例とは合致せず比較対象には成りえません。
くれぐれもこういった子を引き合いに何かを考えることはお止め下さい。最低条件でこれが可能なのは、算数の平均偏差が6年後期でも65以上の子になります。4・5年だと70前後は無ければ無理ですから。私もこのレベルの子はまだ2人しか指導したことはありません。それぐらい珍しいものです。

反面教師

今回は私の思う三大勉強したフリを説明いたしました。昨今の事情として、子供に甘い環境になっていますので口うるさく上記の内容を注意されるケースも減りました。ということは上記のことを続ける子たちを反面教師として、反対のことを行えば上手くいく確率は格段に上がるということです。中学受験で成功されたい家庭は厳しく注意すべき点を外さないようにしていきましょう。また、こういった習慣に近い内容はたがが緩むことはあるので常に子供の様子を見ていてください。

一番悲しいこと

そして私が一番悲しいと思うことは、子供が上記のような内容で必死にやり続けているケースです。
これが最も悲惨です。『学ぶ』ということがどういうことか理解できなかった子供にあります。
本人は努力して必死に学習していると思っている、けれども結果にほとんど反映されてこない・・・何故ならやり方が間違っているから・・・
これを続けているといつか心が折れてしまうでしょう、子供でなくとも当然のことだと思います。

厳しく辛い言葉になりますが、世の中には本当に無駄な努力に陥ってしまっていることがあります。
これが中学受験の最大の悲劇の一つと言えるでしょう、ゆめゆめ保護者の方はお子様がこのような状態になる前に気づいてあげて下さい。

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